先週の子どもたちの様子の中から、ぽっちの多様な体験を栄養にして子どもたちが育んでいる様々な力のうち、人との関わり方を見ることができる動画を紹介します。
ひとつめ
節分ランチで恵方巻を作って食べた日です。
子どもたちが、よもぎさんの説明を聞きながら、自分の恵方巻を巻きすを使って作り、それぞれに恵方を向いて食べたあと、百ちゃんが自分の分を巻き始めました。
百ちゃんもよもぎさんに簡単にレクチャーを受けたのですが、巻きすを使ってお寿司を巻くのは初めて。
なんだかうまくいかないな~…
子どもたちは百ちゃんの醸し出す空気を察知して、寄ってきて、まずは百ちゃんに口でアドバイスします。
違う違う、(ジェスチャーつきで)こうするんだよ、そうじゃなくて…
でも、百ちゃん、うまくできず。
しびれを切らして、実際にやってみせてくれるIちゃん。
それをうけて百ちゃんがやってみるけど、でも違う💧
次は、もう少し先までやってあげるIちゃん
(動画は、このシーンです)
周りの子も、それぞれに一生懸命百ちゃんを応援してます
中には、あきれ顔の子もいましたが、
「も~、ももちゃんったらぁ~」という声に、愛を感じます。
風ぐみのR君も、百ちゃん応援を一生懸命してくれていました。
まずは、困っている人への関心の高さにおどろきました。
そして、助けてあげよう、力になろうとする気持ちを行動に移す子がこんなにいるんだということにも。
また、行動への移し方も絶妙でした。
初めから「やってあげる」のではなく、まずは言葉で、ジェスチャーで一生懸命伝えようとし、それでもダメならちょっと手を貸す、次はもう少し…
という段階を踏んだ介入の仕方が、こんな小さな子たちにできちゃうことに感動しました。
相手のことを考えたこの関わり、大人でもなかなか難しい時があります。いえ大人の方が難しいです。
子ども達、お見事でした。
ふたつめ
線路わきにおさんぽにいった帰り、みんながぽっちに向かって歩き始めた、一番後ろあたりで起こっていた出来事です。
コンクリートの斜面を滑り台にみたてて滑り降りる子どもたち。
ぽっちに帰る途中と言うこともあり、どうも「みんな一回ずつね」というルールが生まれていたようです。
でも、虹組さんやあとから来た子はそのルールを知らず、何回も滑ろうとして、それを空組のTくんがなんとか伝えようと、体をはって止めているシーンです。
Tくん、相手が小さい子で苦戦。
そんな中、虹組さんたちは虹組さんたちで、滑るんだからそこをどいてよ、危ないよ、ということを自分なりの言葉で一生懸命訴えています。
滑りたかったら下に誰がいようと滑ってしまう、というのが小さい子にはよくある光景でしょう。でも、滑らないで根気よく「滑るんだからね」と訴えます。
T君の言いたいことも、小さい子たちの訴えも、言葉の拙さからか理解しあうまでは時間がかかりそうでした。最後は、先に行った子たちが遥か向こうに小さくなっていくのをみて、小さな子たちが立ち上がり駆けだしたところでピリオド。
大人の介入はなく、場面は切り替わりました。
お互いの訴えを理解しなかったかもしれない(しなかったと決めつけてもいけませんね)
けど、まずは訴えあった、という経験が大事です。
ここが、人が人として育つために大切な初めの一歩。
小さな子どもたちは、毎日、こんな風に何気ない日常の場面で、仲間たちと、こんな関わりを繰り返しています。
上の子たちが言葉で伝えあっている姿をみて、下の子たちが真似をして、その中で大事なことをちゃんと体と心に育んでいます。